卵が過去最高値、食肉価格も高止まり
日本では2026年10月、卵10個入りパックの平均価格が312円となり、農林水産省が2003年8月に調査を開始して以来の最高値を記録した。10月27日に公表された価格は9月より3円高く、鳥インフルエンザの影響で生産が続けて落ち込む一方、おでんやケーキなどの需要が増えた。
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輸入牛肉と鶏肉も過去の最高値に並んだ。輸入牛ロースは100グラム当たり451円、鶏もも肉は同156円となった。豚肉と国産牛肉は前月よりやや値下がりしたものの、依然として高値圏にある。
農林水産省の食品価格動向調査は、小売店470店舗を対象に、全国47都道府県で各10店舗を調べている。10月の調査結果は、日常的なたんぱく源のいくつかで価格上昇圧力が続いていることを示しており、献立を考える際に家計が選べる安価な食材は限られてきている。
卵は、日本では従来、比較的価格が安定している食材と考えられてきただけに、目を引く。家庭料理や惣菜、菓子作りなど幅広く使われる食材が過去最高値をつけたのは、買い物客や食品事業者が年末の準備を始める時期と重なった。
卵の供給が圧迫され続ける理由
農林水産省は、卵の生産が引き続き圧迫されている要因として、前シーズンに発生した鳥インフルエンザの流行を挙げた。流行時には生産量が大きく落ち込み、10月もなお影響が続いているという。
鳥インフルエンザは養鶏に支障をきたし、店頭に届く卵の数を減らすおそれがある。卵の供給が減る一方で買い求める人が変わらなければ、販売価格は上昇しやすくなる。日本の最新の調査結果は、この供給問題に季節的な需要増が重なっていることを示している。
卵10個入りミックスサイズの平均価格は、9月の309円から10月には312円に上昇した。農林水産省の数値から計算すると、上昇率は約1%となる。円で見た月間の値上がり幅は小さいものの、調査開始以来のすべての過去価格を上回った。
農林水産省は、卵の生産や小売価格が以前の水準に戻る時期を示していない。そのため、年末の需要期が近づくなか、家計や事業者は供給が限られた状態に直面している。
おでんやケーキで需要増
おでんやケーキ向けの卵の需要が増えている。だしで具材を煮込むおでんにはゆで卵が入ることが多く、気温が下がると人気が高まる。年末の祝い事に向けて事業者が準備を進めるなか、ケーキも需要を押し上げる要因となっている。
そのため、家庭と業務用の厨房が同じ限られた供給を同時に利用する。パン店は材料として卵を必要とし、買い物客も夕食や朝食用に購入する。どちらか一方の需要が増えても、双方が支払う価格に上昇圧力がかかる可能性がある。
年末商戦が近づくにつれて、さらなる値上がりが見込まれる。燃料費や人件費も食品の生産・流通にかかる費用を押し上げており、価格の先行きを左右する要因は卵の生産量と季節需要のバランスだけではない。
消費者にとって目先の変化は明らかだ。同じ数の卵を買うにも、以前より費用がかかる。10月の全国平均価格で4パックを買うと1,248円となり、9月の平均価格では1,236円だった。12円の差自体は小さいが、ほかの食材もいくつか高値となるなかでの値上がりだ。
輸入牛肉と鶏肉、過去の最高値に並ぶ
輸入牛ロースは100グラム当たり9円上昇して451円となり、7月につけた最高値に並んだ。9月は442円で、月間の上昇率は約2%となる。世界的な需要の増加と円安が、輸入牛肉の価格を押し上げている。
円安になると、日本の買い手は外貨建ての商品を購入するために、より多くの円を支払う必要がある。そのため、海外での外貨建て価格が変わらなくても、日本での価格が上がることがある。国際市場で需要が増えれば、供給をめぐる競争も強まる。
鶏もも肉は100グラム当たり1円上昇して156円となり、8月の最高値に並んだ。10月の価格は、この時期の調査における通常水準を約15%上回っており、月間の小幅な変動だけから受ける印象よりも大きな乖離を示している。
円安に伴う輸入価格の上昇を受け、需要の一部は国産鶏肉に移った。ほかの肉が高くなりすぎた際に買われることの多い商品にも、追加の価格上昇圧力がかかっている。今回の数字は、為替変動が輸入食品の価格だけでなく、国産品への需要にも影響しうることを示している。
公表された平均価格で比べると、鶏もも肉500グラムは780円、輸入牛ロースは同じ量で2,255円となる。鶏肉は過去最高値に達したものの、この比較では依然として安い。家計が価格を比較する際には、部位と肉の種類の両方が重要となる。
豚肉と国産牛肉の小幅な値下がり、 राहतは限定的
豚ロースは9月から5円下がり、100グラム当たり288円となった。国産牛ロースは2円値下がりし、同857円だった。多少の負担軽減にはなるものの、どちらも依然として高値だ。
9月の293円からの値下がり幅は、豚肉で約1.7%。国産牛肉は859円から約0.2%下がった。500グラムを購入する場合、値下がりによる支払額の減少は豚肉で25円、国産牛肉で10円となる。
10月の平均価格で比べると、国産牛ロースは100グラム当たり857円で、輸入牛ロースの451円の約1.9倍にあたる。この価格差は、より安い牛肉を求める家計が、再び過去最高値となった輸入牛肉を買い続ける理由の一端を示している。
5品目全体で見ると、月間の動きはまちまちだった。卵は過去最高値となり、輸入牛肉と鶏肉は過去の最高値に再び並んだ一方、豚肉と国産牛肉は小幅に値下がりした。そのため、食材を選ぶ家庭が直面するのは、肉と卵売り場全体に一律の値上がりが及ぶ状況ではなく、品目ごとに異なる価格変動だ。
調査での価格の測定方法
農林水産省は2003年8月から、これらの小売価格を定期的に調査している。対象は輸入牛肉、国産牛肉、豚肉、鶏肉、卵の5品目。委託を受けた民間調査会社の調査員が選定店舗を訪れて価格を集めており、現在、調査委託先として株式会社アゲッケを公表している。
調査は現在、月1回、通常は12日を含む週に実施され、翌週火曜日に公表される。10月分の価格調査期間は10月19日から21日で、結果は10月27日に発表された。これらの日付は、最新の数値の基となる価格が収集された時期を示している。
2003年8月から2012年4月までは、週1回調査が行われていた。その後、月1回の調査に移行した。したがって、卵の最高値は、20年以上にわたって調査され、期間によって頻度の異なるデータが蓄積された系列の中での記録だ。
公表価格は調査対象店舗の平均値だ。実際の支払額は、店や商品、利用できる割引によって異なる。卵はミックスサイズ10個入りパック、肉は指定された部位の100グラム当たりの価格で、それぞれの品目内で同じ量を比べられるようになっている。
価格上昇の背景にある日付
10月の数値には、以前に発生した疾病の流行による影響、夏に記録した最高値、年末を前にした新たな需要が反映されている。主な日付は次の通り。
- 2003年8月:農林水産省が小売価格の定期調査を開始。
- 前シーズンの鳥インフルエンザ流行:卵の生産が大きく落ち込み、影響は2026年10月まで続く。
- 2026年7月:輸入牛ロースが、10月に再び記録した451円の最高値に到達。
- 2026年8月:鶏もも肉が、10月に再び記録した156円の最高値に到達。
- 2026年10月19~21日:最新の調査に向けた価格を収集。
- 2026年10月27日:農林水産省が10月の調査結果を公表。
- 2026年11月17日:農林水産省が11月の調査結果を公表する予定。
11月の発表は、季節需要が高まるなかでの次回の定期的な価格測定となる。家計や食品事業者にとっては、10月の値上がりが続いたのか、豚肉と国産牛肉の小幅な値下がりが続いたのかを知る機会となる。
要点
- 日本のミックスサイズ卵10個入りパックの平均価格は、10月に9月比3円高の312円となり、過去最高を記録した。
- 農林水産省は、前シーズンの鳥インフルエンザ流行による生産減が続く一方、おでんやケーキ向けの需要が増えたと説明した。
- 輸入牛ロースは100グラム当たり451円、鶏もも肉は同156円となり、過去の最高値に並んだ。
- 豚ロースは同288円、国産牛ロースは同857円に値下がりしたが、価格は依然として高い。
- 調査対象は全国47都道府県の470店舗。次回の結果は2026年11月17日に公表される予定。






